Verdell

解決は求めていません。。。

#東大入学式祝辞 #2019

今年の東大入学式の祝辞が話題になっていると聞いて、興味をそそられたので色々見てみました。

全文掲載の記事を一通り読んで、動画をノーカットで見てから発言しろよという意見があったので、その後ノーカットの動画も見てみました。確かに指摘通り、動画で最初から最後まで聞いた方が良いというか、文章として読んだだけでは全然別物になってしまうというか、そういう印象がありました。

 

ポツポツと色々な感想が自分の中に沸き、普段私が隙間隙間で考えていることに絡んでくるようなことも大いにあって、率直に、考えさせられるというか、東大入学生に対しての言葉にとどまらない、社会に向けた祝辞ではないかなぁと、個人的には、思いました。

 

しかしながら、やたらに出てくる「感動」という感想については、正直意味が分からないというかどこに?感動…?感動ってなんだっけ…てな感じで、感動したという意見には賛同しかねます。感動はしないだろ…笑

 

男女間格差、差別、フェミニズム、そこらへんの話はあまり興味がないので(もちろん日々の社会的活動の中で不条理で到底納得できない差を感じることは多々あるし、ちなみにそれは別に男女間に限らないけれど、まぁそういう事象については私には私の捉え方があるし、上野さんほどの情熱を持って闘う気はそもそもないので)、このあたりの話はスルー。

 

話題にもなっているように、私もスピーチ後半の内容に、重みがあると感じました。

・「がんばれば報われる」と思えるそのこと自体が、環境に恵まれているということの証であるという指摘。

・東大合格という素晴らしい結果を出し、万能感でいっぱいであろう人達に、それは努力の成果なのではなく、それを支えた環境のおかげだということを忘れないでほしいと言い切る価値観。

・頑張っても報われない人、頑張りたくても頑張れない人、頑張り過ぎた人、いろんな事情、経験を抱えて苦しんでいる人たちがいるということ、自分の為ではなく、それらを助けるために、その恵まれた環境、才能を使ってほしいという願い。

 

これは、考えてみると、実はそんなに奇抜な話ではないですよね。というか、なんなら、人として当たり前のこと、社会に居場所を求めて生きている、生活している人なら、根底として理解していること、把握していること、ですよね。

当たり前のことでも相手や場所が少し違うだけで当たり前ではないし、普通などというものは存在しないし、苦しいのは頑張っているのは頑張りたいのは、自分だけではないし。その中で、助け合い、支え合って生きていく。それが社会の姿ですよね。

そういうことを、東大入学式で、きちんと、丁寧にハッキリとした言葉で、願いを込めてアドバイスにしたのが、今回の祝辞だったのではないかなぁと思いました。

そもそもこんなことを誰かが言わなくてはならないくらい、これは別に東大入学生に限った話ではなく、今の社会全体として、思いやりや共感、寛容という類の優しさが欠如しているということなんだなぁと、危機感というか、少し怖いような気持ちがしました。

 

もちろんもちろん東大に入る人みんながみんなそうではないでしょうが、それでもやっぱり、残念だけど、万能感と膨らんだ自意識で胸がいっぱいの新入生には、タイミング的に届かない話だろうな、とも思いました。

実際、水を差されたように感じて反発している入学生もいるようですし、だからお前、そういうとこだぞっ!て話なんだけど(笑)、今はそうでも、これからの数年でいろんな経験をして、どこかで今回上野さんがおっしゃったような、尋常な価値観を獲得してほしいなぁと、地球がひっくり返っても東大には入れない田舎者が、しみじみ考えてみたりしています。

 

「なにかを頑張ろうと思えること、実際に頑張れること、応援してもらえること。その全てが素晴らしく、恵まれている、自分はいつでも世界に歓迎されていて、祝福されている。」

自分の子どもたちには、こういう価値観を獲得してほしい。その中で、結果を出すための努力をし、集中力、継続力をつけてほしい。威張るのではなく、いつでも世界に歓迎されている、祝福されているという幸福感を纏って生きていけるようになってほしい。ポジティブな結果は自分の頑張りだけでなく、環境のおかげ人のおかげと自覚して、自覚したうえで肯定的に生き、そうでない人を助ける気持ちを持てる人になってほしい。そういう価値観を持って、社会に出てほしい。

そういう人間を、社会に返さなければいけない。

 

そのために今私がすべきこと…

先回りして環境を整え過ぎたり、勉強について心配したり、そういうことじゃないよなぁ。

応援しているよ、あなたはいつでも歓迎されているよ、可能性は無限にあるよ、恵まれているよ安心していいよというメッセージを彼らにさりげなく発信すること、それだけかなぁと。その繰り返しが、彼らの人生的な肯定感を支えることになり、前向きな努力や挑戦の土台になり、感謝の気持ちと幸せの自覚を持った社会人の材料になるはずだと。。。

 

親としての使命感を新たにした夜でした。

ps.新生活を始める全ての人へ。ひとまずおめでとうございます🎉お互い頑張りましょうね。